地域格差と俊寛

地域格差に関して興味深い記事が信濃毎日新聞に載っていましたので
紹介します。作者は法政大学教授の田中優子さんです。毎週日曜日の
朝のテレビ番組「サンデーモーニング」でコメンテーターを勤めています。
和服の似合うきれいな方です。


田中優子さんは国立劇場で松本幸四郎の「俊寛」を観ました。何度も
観ているそうです。今回は今までと異なることが頭に浮かびました。
近ごろ気になっている「地域格差」です。


僧侶であった俊寛は謀反の罪で他の二人とともに鬼界ヶ島に
流されます。
舞台の俊寛は髪やひげが伸び放題、やつれて足腰も心もとない
感じです。


田中優子さんに疑問が生じます。「なぜ俊寛はこんなにやつれて
いるのか?なぜそんなに都へ帰りたいのか?」


鬼界ヶ島は無人島ではないし、海女もいれば、漁師もいます。気候は
暖かく、食べ物は自然で美味で豊富。流行病やかっけの心配もなく、
貴族社会の陰謀や人間関係のストレスも京都よりずっと少ないのです。


プライドにこだわらなければ、漁師の下で修行もできます。栄養状態、
環境、運動量など多くのものが京都をしのいでいるはず。


平安時代の実際の流刑では一年を過ぎれば、口分田が支給され、
住民と同じように耕作もしていました。「俊寛」が書かれた江戸時代
では、漁師や農民の手伝いをしながら家庭を持つ者もいて、赦免
されても島に残る例もありました。


当時35歳くらいだった俊寛が「都至上主義」の発想を転換して、
漁師になって島に残ります。そして船出する人たちに言います。
「僕はこっちのほうがいい。僕は死んだってことにしてくれ」
田中優子さんの頭に浮かんだ新しいストーリーです。
題名は「それからの俊寛」


田中優子さんのゼミの学生が地方に行くと言うそうです。
「どうしてこんなにおいしいのか分からないほど、おいしいものばかり」
「今は東京という中心地のために他の地域があるようでおかしい」


地方にはお金で買えない豊かさがあります。信州に暮らしていて実感
できます。地域格差が広がっているのも事実ですが、地方の豊かさに
もっと目が向けられる方向に進むように感じています。



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wakuwakunonchan at 07:14 │Comments(6)TrackBack(0)clip!人生への想い・日々の雑感 

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この記事へのコメント

1. Posted by 独り倶楽部    2007年12月13日 14:42
地域格差の問題は難しいですね。私も仕事で何年間も、山間部の町、海辺の町、地方都市で生活をしましたが、生まれた時から住んでいる人と、途中で都会から来た人との考え方の違いも有るし。都会で生活している人間がもっと地方の人の生活に目を向ける必要は有りますね。
2. Posted by 克ちゃん    2007年12月13日 19:43
地域格差ね。戦後からの政策の問題でしょう

戦後サラリーマンは、人口の20%位、
今は75%を越えてるんじゃあないかな

後、10年もしたら地方は壊滅状態になるね
核家族を進め、終身雇用制度を壊し、伝統技術を軽視し、中小企業を無視し大企業一辺倒の世界。自然破壊を進め。これじゃあ元に戻れない。
田舎を忘れた農民が都会にいる限り、地域格差は広がるばかりになるでしょう。
3. Posted by びびんちょ    2007年12月13日 23:32
かみさんの実家が九州なんです。
たまに帰省すると、時間が変わったように流れるし、食べ物もおいしい。

ただ、会社勤めや、学校、もろもろのことを考えると、どうしても都会中心になってしまう。

私は東京に住んでいますが、終電が近くなるほど混雑する電車、なにかおかしいな、と感じてしまいますね。
4. Posted by おーりーおばさん    2007年12月14日 10:14
独り倶楽部さん、こんにちは。
地元で育った人と都会からの移住者との
交流はなかなか難しいと感じています。
地方の文化がもっと都会に紹介されればいいのにと思います。
5. Posted by おーりーおばさん    2007年12月14日 10:18
克ちゃんさん、こんにちは。
地方は壊滅状態になりますか。
悲しいです。なんとかくいとめる方法は
ないのでしょうか。
地域格差がこれ以上、広がって欲しく
ないです。
6. Posted by おーりーおばさん    2007年12月14日 10:25
びびんちょさん、コメントありがとう
ございます。
本当に東京の人の多さには圧倒されます。
秋に東京に行って、終電近い井の頭線に
乗ったら、昼間以上の人でした。
昼夜逆転している人も多いのでしょうね。

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